DRIFTING ON THE NAKAGAWA
隊長、初の県外遠征 2002.9.21
 
 つっぺり隊を結成して1年半が経つというのに、実は隊長と副隊長が一番川に行っていないというのがつっぺり隊の公然の秘密だったりするわけで、特に県外の川に行ったことがないというのは今後のつっぺり隊の全国進出にとって大きな障害になるやもしれんと、今年の目標を県外遠征にしたのだったが、押し寄せる仕事の瀬、家族の瀬に寄り切られ、やっとの思いで手にした県外遠征企画もいざフタを開けてみれば、隊長(ワシ)とビール艦長だけのたった二人のしみじみツアーになってしまったのだった。
 《直前に陸沈していった隊員たちに合掌》
   ★15号マイケル四万十…「たったいちょう〜家族の瀬が越せましぇ〜ん」と前々日の朝に家族の瀬に轟沈
   ★4号つっぺりクイーン…「急に悪寒が走ったと思ったら熱が38度を超してるの〜」と前々の夜日に体調の瀬に轟沈
   ★6号TAKE…「今から名古屋に行かなくちゃなんないんですよ〜、ぐやじ〜!ぐれてやる〜」と前日の昼に仕事の瀬に轟沈
   ★19号焚きビーラー…「家族の瀬は超えたのに仕事の瀬が超えられんー」と当日の朝に仕事の瀬に轟沈 
万水川(よろずいがわ)は長野の穂高町を流れる用水路で明科町で犀川と合流しているのだが、とても用水路とは思えないほど水も澄んでおり、流れも速く、川岸も樹木が多いので、雰囲気はとてもよい川だ。


少し下ると、右側からの流れ込みがあり、そのちょっと上流には大王わさび園の3つの水車が回っている。黒沢明監督の「夢」という映画の舞台にもなった場所だ。観光客が見ている前でちっとむずがゆかったがそれぞれ互いに写真を撮り合い、いつもとはちょっと違った観光ツアーもいいものだ。
 今回は、副隊長のファルトを借りて下ったのだが、前回の久慈川ツアーでの傷が直っておらず、上陸して修理をした。
 そのまま、観光客の群れなすわさび園に入り込み、名物のわさびコロッケとわさびソフトクリームをなめまくるライジャケの怪しいおじさん二人は、そうとう周りから浮いていたに違いない。

 わさび園からすぐ下流で、万水川は犀川(さいがわ)と合流し、視界が大きく広がる。
 流れも速く、波も適度にあり、気持ちがいい川だ。ファルトで下ったことと、たった二人だけだったこともあってか、しみじみとツーリングしているなあと実感できる川でもあった。
 キャンプ地の龍門淵公園前の河原と公園の間には、日本で唯一の常設スラロームコースがある。ビール艦長がチャレンジするというので、橋の上で待ちかまえていると、10番目のゲートまではうまくいっていたのだが、11番目(上真ん中)のゲートをくぐったあとで見事に沈をしてくれた。思わず「艦長、おいしいぞー」と写真を撮りまくるワシ。さすがつっぺり隊の古株である。このあと、悔しがった艦長は、再度チャレンジし、見事にゴールしたのであった。
 川のあとは、いつもの通り温泉→ビール→焚き火料理のゴールデンタイムに突入である。今回は、一応海鮮みそキムチ鍋にしてみたが、男二人で具をぶっこみ合う相当に怪しい鍋であった。しかし、アサリが決めてになり、なかなかの味であった。 
 このとき、話題になったのが、鍋は熱することで具の分子結合を変化させるから柔らかくしているのだという話から、料理は化学反応ではないかということであった。
 しかし、煮て柔らかくするだけでは反応とはいえないという艦長の意見から、では、化学反応している料理はあるのかということになったのだが、艦長があっさりと「それはゆで卵だね」と結論づけて、この世紀の発見は意外にも身近なところに実在していたのだなあと落ちたのであった。
 こうしてバカ話をしながら、二人だけの夜もビールと焚き火があれば、しみじみしていても問題ない問題ないと怪しい夜は更けていったのだった。
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