波乱の予感 つっぺり隊年間ツアーでも一番大規模な2004年5月場所は、例によって例のごとく、栃木県宮原キャンプ場で22日(土)23日(日)と行われた。 今年は隊員の陸沈が相次ぎ、例年に比べるとこぢんまりしたツアーだったが、それでも14人と2チビと2匹が集まり、さらに沈没隊も3人乱入するなど、波乱を予感させるスタートであった。 |
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まず、宮原に着いていきなり驚いたのは、いつもキャンプをしている一番奥の木立になにやら垂れ幕がはってある。 最初は、何かよそのイベントでもやっているのかと思い、まずいなあと思って近づいてみると、 何と「熱烈歓迎!つっぺりミーティング5月場所」と書いてあるではないか。 「ギャハハハ」 思わず、指さして大笑いしてしまった。 「誰だァ、こんなもの貼ってるのはァ」 問いただすと、思った通り秋田奴隷部隊の一人、畠山隊員の仕業であった。 残業と称して深夜会社の機器を使い、こっそりと印刷してきたのだそうな。 まったく、我が隊の隊員は…実に頼もしいやつらばかりだ。 |
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今年も八溝大橋からのスタート。天気は今ひとつであったが、川下りには問題ない。 問題は、いまだに一人でファルトボートを組み立てられない隊長(ワシのことね)であった。今度こそ一人で組み立てるぞと宣言したものの、真ん中のフレームを付け忘れて組み立ててしまい、やり直し。それを見て思わず手助けをする隊員に笑ってごまかす隊長であった。 |
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もう一つ、問題というか、大きな期待をもって出発に望んだのが、コースケ隊員が自作したウッドカヤックの進水式である。設計図も無しに、余った木材で作ってはみたものの、まだ一度も水に浮かべていないので、どんな動きをするか分からないという。 見た目は非常に美しいカヤックなのだが、那珂川での沈率10割、つまり那珂川でカヌーをすると必ず沈をするという記録の持ち主のコースケ隊員が乗るわけだから、ただで済むはずがない。 みんなが見守る中、進水の儀式を行ったのであるが、もちろんみんなが期待しているのは浸水であることは言うまでもない。それがつっぺり隊なのである。 |
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みんなの期待を一身に背負い、コースケ隊員が浸水…もとい進水の船出をした。 しかし、船に乗った時点で明らかにバランスが悪いのが手に取るように分かる。 「これは期待できるぞ。」とみんながカメラを構える。 果たして、よたよたと数メートルも漕がないうちに、ものの見事にひっくり返る。 「よーし、やったー!」と叫ぶワシ。 一斉にカメラのボタンを押す隊員達。 コースケ隊員の那珂川沈率10割の記録も、あっさりと記録更新である。 あまりにも期待通りの沈に、いきなり今回のツアー最大の見せ場になってしまった。 いきなりのクライマックスである。 |
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コースケ隊員の沈できっちりと浸水式を終了し、出発である。 この日の那珂川は、早々と本土接近した台風2号の影響で、いつにも増して増水していた。 いつもなら草地だったところが水路になっている。 |
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三段落ち込みがある最大の難所の大松橋上流の無法松の瀬も増水のため落ち込みが無くなっており、一気に通り抜けてしまう。 | ||
しかし、そんな時でも、必ず期待に応えてくれるのがこの人、18号歌舞伎やす隊員である。初めてカナディアンに乗る28号菊池隊員とのタンデムで、真っ先に無法松の瀬に突っ込み、いとも簡単に沈を見せてくれる技術はもはや芸術と言っていいだろう。そのまま数百メートル流されて行ったにもかかわらず余裕のポーズはさすがである。 | ||
その後は、まったく沈もなく、流れも豊かで、ビール艦長がバウステなどという悪魔の技を披露したりと、実にスムーズなツアーであった。 沈をしそうもないし、寒かったので、ワシが先頭を切って漕ぎ進んだため、いつもよりだいぶ早く午後2時頃にはゴールである宮原に到着してしまった。 |
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恒例!満漢全席 予定よりもだいぶ早くゴールしてしまったので、もう午後3時頃には焚き火もビールも始まってしまう。 今回も、得意料理を一人一品作って振る舞う満漢全席スタイルである。もはやこれがつっぺり隊スタイルになりつつある。 はてさて、今夜はいったいどんな料理が飛び出すやら… |
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トップを切ったのはうどん屋つっぺり亭店主コースケ隊員の手打ちうどんである。 わざわざ手打ちうどんの幟まで持参する力の入れよう。まずかろうはずがない。 |
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秋田支部奴隷部隊長ことのすけ隊員が作ったソーキ汁と合わせてソーキうどんができあがった。これがなかなかの美味であった。 | ||
次はビール艦長が最近凝り出した本場北京直買い出しの四川麻辣火鍋。激烈辛の予定だったのが思ったほどではなく、それがほどよい辛さでこれもなかなかの美味。 | ||
さて次に飛び出したのが、ろーたす浜ちゃん十八番のカレーナン。小麦粉は自宅で練って寝かしたのを持参し、何でも来いとばかりに横たわるナンに挽肉たっぷりのカレーを衣のようにかけて食すと、これが思わずうっふんとなる美味。 | ||
さてさて、次に控えしは、つっぺりツアー2度目の参加の28号財務部長菊池隊員である。 前回同様、パスタでの参戦。これが正当派の味できっちりとうまい。 |
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あまり大きな声で登場と言えないのが、隊長(繰り返すけどワシのことね)のチヂミ。今回は時間がないからとすぐできる簡単料理にしたのだが、暗くならないとみんなの前に出せない出来だった。味は…まあまあか。ワハハハ。 | ||
その他、つっぺりクイーンの白玉あんみつやコロコロ隊員の豚バラステーキなどたくさんの参加料理があったのだが、満漢全席のトリを飾るにふさわしい料理が、秋田奴隷部隊合作のちまきであった。 わざわざ秋田からせいろまで持参し、ほどよく蒸された竹の皮包みを開けると、ほくほくの餅米にまぶされた旬の野菜がまったりと口内にまとわりつく。 うまい!果たしてこれがキャンプ料理と呼べるのか?こんなものを河原で食べてしまっていいのだろうかと悩むほどのおいしさだった。 さらに、我々を驚かせたのが、その後に出されたフカヒレ入りの茶碗蒸しだった。これはもう反則である。 これでいいのか、つっぺり隊! いいんだな、これが。 |
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こうして、満漢全席に腹鼓をうち、河原に夜の帳が降りると、焚き火を囲んでの酒盛りが始まる。 昨年度つっぺり隊MVP受賞者のコロコロ隊員の授賞式やギターをかかえての弾き語りなどを交えて、とっぷりと夜が更けていく。 川で命の洗濯をし、河原で美味珍味で腹をふくらまし、焚き火で友との語らいに彩りをそえれば、もう気分はすっかりパラダイス。つっぺりナイトフィーバーだぜ!(ちっと古いか) |
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さて、翌日はのんびりと前夜の残飯をブレンドした朝飯を食べ三々五々解散したのだが、ビール艦長率いる神奈川部隊は、その足で大竹海岸でカヤックサーフィンで遊ぶ。 パドルを立てて波を待つ姿は、なにやら風車に向かうドンキホーテを想像させる。 波の間に間にその雄姿を垣間見せながら、彼らはそのまま海の彼方に消えていったのだった……そんなわけないか。ワハハハ。 |