DRIFTING ON THE NAKAGAWA
 つっぺり隊が西伊豆で野良ツアーを始めて9年目。特に何があるというわけではないが,もはやつっぺり隊の行事としては外すことができないツアーになっており,今年も忙しい中を何とかやりくりして隊員たちが三々五々西伊豆浮島海岸に集結してきた。参加者は,隊長,ビール艦長,kei-50,無謀松,ゴステロ,ライダー秋本,H氏&愛犬レオ,そして2年ぶりに再開したカネヤン父子。ゴステロ隊員は5月2日〜3日と一足先に野良滞在し,本隊とは入れ違いになる。
4日,kei-50,無謀松,H氏,ビール艦長と本隊が集結。天気はよいが,海は風が強く,とても漕ぎ出せないため,田子方面にハイキングをする。ビール艦長,H氏は東屋まで行き,引き返す。
kei-50隊員と,無謀松隊員は道に迷いながらも安良里港まで足を伸ばす。途中の立ち入り禁止区間は,ゲート下をほふく前進しながら突破。何もそこまでして行かなくてもと思うのだが。
やっとの事で着いた安良里港には,何と加山雄三の所有するクルーザー光進丸が停泊しており,加山雄三ファンと思われる若い女性2人と遭遇する。何とか女性の気を引こうとしたkei-50&無謀松隊員はいい加減な話を持ちかける。
「お姉さん達,クルーザーに興味あるの?」
「はい,とっても」
「ワシらもクルーザー持ってるんだぜ。乗ってみるかい?」
「ええ,本当ですか!」
「いいよ。ただし,手漕ぎだけどね。」
「…キャハハハ!」
はじめはきょとんとしていた女性達もカヌーのこととわかり,バカ受けの大笑い。
意気投合したまでは良かったのだが,連れの男性がいることがわかり,そこまで。
後で隊長から,何で女性の写真を撮ってこなかったんだと責められる。
夕方,隊長が到着。勤務先の市の行事に参加してから駆けつけたため,スーツ姿で登場。まさに河原サラリーマンの本領発揮。
晩は魚の鍋とカツオ、H氏のチリビーンズなどで焚き火宴会をする。
翌日5日は,早朝にライダー秋本が滋賀からバイクで到着。多少風はあったものの,いよいよ漕ぎ出すことに。田子方面に向かって漕ぎ出したが,浮島湾を出ると思った以上に波がある。このまま出ると帰る頃には更に波が高くなるのではと,引き返し始める。
しかし,単身でこの近辺を無謀に漕ぎ歩いている無謀松隊員が,
「こういう日でも南の堂ヶ島方面はそんなに波がないから大丈夫。そっちに行きましょう。」
とみんなを説得するが,
「あんたは大丈夫でも,普通の人は大丈夫じゃないんだよなあ。」
と普段の無謀さがたたって信用してもらえない。
「僕を信じてください!」
という無謀松隊員の悲痛な叫びに心を動かされた隊長が
「じゃあ,だまされたと思って行ってみるか。」
と,堂ヶ島方面にみんなで漕ぎ出す。
すると,本当に波がなく穏やかなのだ。
「ね,たまには僕の言うことも信用してくださいよ。」
「いやあ,無謀さもたまには役に立つんだなあ。」
狼青年無謀松隊員の株が初めて上がった瞬間であった。
瀬浜と三四郎岩の間にできたトンボロ(干潮時に干上がった海底でつながる陸繋砂州)をポーテージして,堂ヶ島の天窓洞へ突入する。波が高いため遊覧船は欠航しており,やや危険ではあったが,全員ノー沈で奥の海岸へたどり着く。休憩後,一路浮島海岸へ。トンボロのポーテージを嫌った無謀松隊員だけが,三四郎岩の沖を迂回するが,あいつは大丈夫だろうと誰も心配せず。ビール艦長の船の下を鮫が通り抜けるが,本人は分からず。
昼はいつもの素麺と中華麺。午後にはつっぺりツアー初参加の隊長の奥さんもやってくる。隊長は奥さんのために日よけ付きの女王様のイスを用意し,家庭内接待。家庭の瀬を低くするためにもこれは大切な接待なのだ。
他の隊員も皆適当に過ごす。ライダー秋本はロール練習、カネヤン父子はカヤックフィッシング、ビール干潮は湾内でシュノーケリング。少ししったかを拾ってくる。H氏は愛犬レオと昼寝等。この自由さがアウトドアの醍醐味である。
日が暮れ始めたところで,乾杯をし,焚き火宴会に突入する。飲みながら料理を作り,また飲む。桜のいい香りが漂う最高級の焚き火で,酒もすすむ。潮風に吹かれ,最高の焚き火ナイトである。何だかつっぺり隊らしからぬ議論の高まりもあったようだが,それもまたいい酒の肴である。こういう野良生活は本当に心のエネルギーがチャージされる。電気自動車も心のエネルギーで動くようになれば,本当のエコなのになあと思ったりする。怪しい夜は最高なのだ。
翌日6日は,三々五々,帰路につく。日曜の早めの時間だったため,どの隊員も思った以上に渋滞に巻き込まれずに到着との報告あり。よい休養がとれた野良生活であった。
心のエネルギーをチャージ!西伊豆野良ツアー 2012.5.4〜5.6
inserted by FC2 system