DRIFTING ON THE NAKAGAWA
 今年も押し詰まった暮れの28・29日に,栃木県那須烏山市の那珂川上流の河原にバカ達が集まった。つっぺり隊恒例河原忘年会だ。今年で12回目。ここまで続くと,やはりバカは永遠に不滅なのかと,バカパワーにつくづく感心させられる。
 今年も忘年会を待ちきれない大バカ達が,前夜祭と称して前日の夜から泊まり込み,車内で宴会を開いて盛り上がっていた。kei50,無謀松,えぢそん,村長の4隊員だ。その様子を,今年から導入したつっぺりLINEで真夜中まで生中継してくるので始末が悪い。
 翌朝,隊長,ゴステロ,ビール艦長,ライダー秋本と各隊員達が到着する頃には,前夜の興奮も収まり,まったりと朝食をとってくつろいでいる。今年の忘年会は久方ぶりに寒さが厳しいので,隊長が薪をしこたま持ち込む。
 寒風吹きすさぶ中,八溝大橋まで移動し,そこからキャンプ地の宮原まで,川下りを開始する。全員がポリ艇で出撃する中,秋からテレビ放映が開始された転覆隊アウトドア番組に影響された隊長だけは,「やっぱり川下りはファルトだぜ」と久しぶりにボイジャーで出撃する。
 水量は少なめだが,この時期にしてはまあまあある方だろう。天気は済んで晴れ上がり,まぶしい陽光の下で出発する。冬の川下りは冷たく寒いが,川面に反射する陽のまぶしさと,何より水が澄んでいるのが最高に気持ちいい。
 最大の難所の無謀松の瀬は,水量がちょうど良すぎて普通の瀬になっており,無難にみんながクリアする中,無謀松隊員だけが,コース取りを間違い,岩場の方に突っ込み沈。さい先のいい出だしである。出発が遅かったため,大松橋の下の河原で昼食をとる。その後も,ほどよい水量と流れの中で,気持ちのいい川下りは続いていった。このままゴールまで行けるかと思っていたところ,突然沈の嵐が吹き荒れた。
 中州で右と左に流れが分かれている所があり,それぞれが感で本流と思われるコースを選んで下っていった。左側のコースをとった隊長とゴステロ隊員は,途中でジェットコースターのような瀬があり,気持ちのいいスプラッシュを浴びて下ることができた。どうやらこちらが本流だったようだ。
 しかし,右側のコースをとったkei50・ビール艦長・無謀松隊員は,左右の流れが再び合流する地点で,本流にうまく入ることができず,まず,ビール艦長が沈。それを見たkei50隊員はこれはまずいと思っていたところにちょうど隊長が本流を流れてきてコースを塞がれた形になり,八方ふさがり沈。何度かロールで起き上がろうとするが,もはやパニックに陥ったkei50隊員にその余裕はなく,結局沈脱する羽目に。
 流され続け,救出をされ,河原に上がった河童状態のkei50隊員に,早速無謀松隊員からここぞとばかりに「何やってんすか!」の皮肉攻撃が。kei50隊員からは「これで当分笑いものにされるのが悔しい!」とつっぺり隊ならではの『他人の沈は蜜の味』ルールへの怨み節が出たのだった。
 3時間ほどの川下りを追え,キャンプ地宮原に上陸すると,何と副隊長のとびうお豊田が待っていた。彼は,副隊長にもかかわらず,この河原忘年会には初めての登場である。聞けば,息子と近くの温泉に来たので,その帰りにちょっと寄ってみたのだと。残念ながら,所用のためすぐに帰らなければならないというので,写真だけの参加となった。その後も,宴会からの参加者が続々と集結。ロータス父娘はバイクで参戦。副隊長と同じく茨城支部のなぞちゅう隊員も初参加だ。夜にはtosi隊員と本田さんも参加し,総勢13人の忘年会となった。近くのスーパーに買い出しに行くが,大量の食材をダンボールで運ぶ姿は,周りの買い物客からも浮き上がっていた。
 日も暮れて,各隊員がそれぞれ料理を作り出す。一人1品十八番料理を作って持ち寄るつっぺり隊式満漢全席だ。たくさんの料理を食べることができるのだが,欠点はみんなが無計画に作るので,いっぺんに全部できあがってしまうため食べきれないことだ。計画的に作ろうにも,誰が何を作るのかわからないので,しかたがないのである。
 全員の料理が作り終わるのを待って,やっと乾杯となる。今年1年遊ばせてもらった川の神様と火の神様に感謝しての乾杯だ。
その後,隊長からサプライズの報告が。詳しくは述べられないが,もしかしたら,来年,椎名誠と雑魚釣り隊との合同リバーツーリングが実現するかもしれないのだ。嬉しい報告である。
     
 夕食をとりあえず腹一杯食って落ち着いた頃,今年1年の活動を振り返って,最もみんなを感動させてくれた写真と,笑わせてくれた写真を選ぶ野外上映会が始まる。発電機とパソコン,プロジェクターを持ち込んで,手作りのスクリーンに候補作の写真を写しだし,投票で決めるのである。今年は,MVPにはビール艦長の「台湾沈」が,とびうお賞にはへんな外人夫妻の「変身薬が切れた魔法使い」が選ばれた。詳しくはMVP&とびうお賞のページを見て欲しい。そして,受賞者には,村長手作りのガラス絵ウイスキーが隊長より手渡された。
 宴もたけなわとなった頃,無謀松隊員とtosi隊員が河原サウナをやりましょうと,サウナテントを張り出した。はじめはあまりに寒いので,今年は止めようと準備していなかったのだが,この二人があまりに乗り気なので,じゃあやるかと始まったのである。しかし,この決定が後の悲劇に。沈を散々笑われたkei50隊員と協力者のえぢそん隊員との仕返しが待っていたのだ。
 はじめはいつものサウナだったのだが,最後までサウナを楽しもうと無謀松隊員,tosi隊員,隊長が入っていた時に,お代わりの水がペットボトルで補給された。この水を焚き火で真っ赤に焼いた石にかけてその蒸気で温まるのである。しかし,なぜか,その水が赤かったのである。しかし,蒸気が蔓延するテントの中では,さしてそれも気にならなかった。
   ところが,その水を焼け石にかけた途端,立ち上る蒸気がやたらと目と喉に染みるのである。「ゲホゲホ,何だこりゃ,ゴホゴホ」とむせかえるテントの中の3人。その悲鳴を聞いて,外で腹を抱えて大笑いする2人。目は痛い,喉は苦しい。思わずテントから飛び出して見ると,kei50隊員が泪を流して喜んでいるではないか。
 実は,差し入れたれたペットボトルの水にはラー油が入れられていたのだ。沈を笑われた仕返し攻撃だったのである。
 いやはや,これにはまいった。まさか,こんなところで仕返しに合うとは。つっぺり隊には油断も隙もありゃしない。しかし,この仕返し攻撃で,忘年会は大いに盛り上がったのは言うまでもない。これでいいのだ。つっぺり隊。
 
 騒ぐだけ騒いだ後は,まったりと焚き火に当たりながら冬の夜を楽しむ。寒いので空気はきりっと締まり,星もくっきりと見える。焚き火に当たりながら,満天の星空を思い思いに楽しむ隊員達。何て贅沢な夜なのだろう。ただ一人女性として参加したろーたす隊員の娘,みすずちゃんが「私,結婚しても子どもを連れてキャンプしたい」と言うほと,素晴らしい夜であった。
  翌朝はかなり冷え込み,辺り一面が凍っていた。そんな中で,トロンボーンを楽しむtosi隊員。朝食は昨夜の残飯に,ホットサンド。三々五々起き出してきた隊員達が,温かなコーヒーと飯で体を温める。温かさが身に染みる。これも厳寒キャンプの楽しみだ。まったりとした後,また,来年も遊ぼうぜと再会を約束して解散する。今年も,よく遊んだなあ。いつまで,こうして遊べるか分からないが,とりあえず,つっぺり隊が続く限りは遊び続けるのだ。遊びなくして何の人生ぞ!
12年目のバカ忘年会。沈のラッシュに仕返しのラー油サウナ! 2013.12.28〜29
inserted by FC2 system