DRIFTING ON THE NAKAGAWA
8年ぶりの久慈川ツアーは一人河原に佇む哀愁の河原男から始まる川外完全つっぺりツアーだった!
(2014.11.1〜3)
「秋の久慈川は紅葉も綺麗だし,川下りの後の温泉は最高だぞ。」
この釣り言葉に惹かれて集まった参加者は隊長,ゴステロ,ろーたす隊員の3人。2006年のえぢそん隊員の入隊沈以来,8年ぶりの久慈川ツアーであった。
 しかし,このツアーは出だしから前代未聞のつっぺりからスタートしたのだった。予定していた集合日時は11月2日の午前9時。その前日の1日の朝,ゴステロ隊員からつっぺりLINEに報告が入る。
『高速渋滞で30分位おくれるかもです。』
思わず集合日を確認するが,やっぱり明日から。つっぺりLINEで応答する。
『ゴステロさん,明日からだよ〜』
『えっ?』
『2日からだよ〜』
『何と,明日からだったとは!』
何と,集合日を間違えて1日早く来てしまったのだ。まったく全体未聞のつっぺりである。
もはや引き返すわけにもいかないので,そのまま一人で前泊することに。
下見を兼ねてセルフレポートした写真がこれ。題して「哀愁の河原男」。
 一人で泊まらせるのはあまりに忍びないので,隊長が急遽この日の夜から参戦することに。仕事を終えて,午後7時頃に久慈川の河原に到着。真っ暗な河原で大きく手を振るゴステロ隊員の姿がヘッドライトに浮かび上がる。
「いやあ,焚き火もできずに何にもすることがなかったので,隊長が来てくれて本当にうれしかった。」とゴステロ隊員。相当寂しかったらしい。
 持参したクリーミーサーバーで特製のビールを注ぎ,まずは乾杯をする。雨が次第に強くなる中で,やっぱり焚き火をしようとタープの隅で僅かな薪で火をおこす。つっぺり隊史上最小の焚き火かもしれない。しかし,こんな小さな焚き火でもこころが安らぐ。焚き火は偉大だ。
 翌朝は快晴。河原を散歩すると,産卵を終えて死期を待つ鮭があちこち泳いでいる。
 やがて,ろーたす隊員がやってきて,わずか3人ではあるが全員が集結。
今回の川下りは,大子観光やなからこの盛金の河原まで15キロ。少し距離が長いので,早々に出発する。
 隊長の車をピックアップ用に河原に残し,ゴステロ,ろーたす隊員の車でスタート地点の大子観光やなまで行き,その先の空き地に車を止める。出航の準備も完了し,いざ出発という段になり,今度は隊長がつっぺる。 
「ワシの車の鍵がない!ポケットのチャックが開いてたから,どこかで落としたかも。」
あちこち探し回るが,結局見つからず。このままでは車のピックアップができない。
「仕方ない。JAFを呼ぶしかないかあ。」
いやはや,何とも。
  気を取り直して出発。天気は文句のつけようのない快晴で無風。最高の川下り日和だ。紅葉はまだ7分目くらいだが,それでも風情があって美しい。川も昨日の雨で水量が増し,気持ちのいい瀬が続く。途中には沈下橋もあり,リンボーダンス状態でくぐり抜けるのも楽しい。久慈川最大のシャモの瀬もパワフルだが癖のないストレートな瀬で全員クリア。久慈川は実に気持ちのいい川だった。
 久慈川ではこの時期,落ち鮎漁が盛んで,あちこちで投網を抱えた漁師が目立った。川をせき止め,竹を沈めて,鮎の行く手を阻んだところで,一気に投網で一網打尽にするらしい。それでも,ほとんどの漁師が川の真ん中を通してくれるのだが,一カ所だけそれができないところがあった。たまたま近くにあるキャンプ場の方が川岸にいて教えてくれたのだが,いつもは問題ないんだけど,今日はめちゃくちゃ鮎が捕れているらしく,漁師さんもとても神経質になっているから,そこは通らない方がいいと,ワシらの船をトラックに乗せてポーテージさせてくれたのだ。まったく,ラッキーだった。
 そこからは,穏やかな流れが続き,紅葉を楽しみながらゴールする。JAFは30分位で到着し,車のドアも無事開けてもらう。JAfは偉大だ。車をピックアップした後は,大子温泉やみぞでリンゴ風呂に入る。午後4時以降は半額で510円。これもラッキーだった。買い出しをして河原に戻る。
 夕食はおでんに牛肉の炒め物。シンプルだがこれで十分。調理中,隊長のツーバーナーは何度も炎上し,ぴかぴかのステンレスのなべが煤でチタン風鍋に。3人でも焚き火とビールがあれば何の問題もない。しかし,1日早く来てしまったゴステロ隊員は,家族の瀬を鎮めるため,夜半に帰宅する。
 翌朝も気持ちのいい秋晴れ。冷え込みで朝焚き火がおいしい。この絶景の紅葉を眺めながらの朝食は最高に贅沢だ。他には誰もいないのも気分がいい。最高の気分で久慈川ツアーを締めくくった…はずだったのだが,最後にろーたす隊員がつっぺってしまったのだ。家に着いたらクレジットカードがないのに気付く。途中でガソリンを入れたときに落としてしまったのだ。往復2時間かけてガソリンスタンドまで探しに行く。拾った人が届けてくれていたので事なきを得たが,いい人でよかったと。
 結局,参加者3人とも川以外でつっぺった完全つっぺりツアーだったが,いろいろとラッキーもあり,良くも悪くもつっぺり隊らしいツアーであった。
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