DRIFTING ON THE NAKAGAWA
 81号陽ちゃん企画で、つっぺり隊として久しぶりの長瀞遠征を実施した。最近,このパターンが多い。隊に新しい風が吹くのはいいことだと意気揚々と出かけたのだが,久しぶりの長瀞はそんなワシらに「川はそんなに甘いもんじゃおまへんで〜」とばかりに試練を与えたのだった。まさに,つっぺり隊の実力が発揮されてしまったのだ。
 集合場所は,皆野中学校裏の河原。ここは川マス釣りの駐車場にもなっているようだが,カヌー屋はここから下る人が多い。ワシ(隊長)が一番乗りしたときには,既にキャンピングカーが陣取っていたのだが,驚いたことにそこにヤマト運輸がやってきて,なにやらダンボールをキャンピングカーの主に配達していた。多分食材だろう。今はGPSで配達場所が指定できるらしい。凄い時代になったものだ。
 参加者は,隊長,えぢそん父子,ゾノ兄弟,陽ちゃん,terra隊員の大人6人子ども一人である。全員インフレータブルで4艇に分乗して出発した。長瀞は言わずと知れたホワイトウオーターのメッカであるが,インフレータブルカヌーなら軽いもんだと長瀞を嘗めていた。そんなワシらに長瀞の神様がまさにインフレータブルカヌーの弱点を突いた喝を入れてくれたのだった。
 まず,第一喝は,陽ちゃんカヌーへ。ネットで激安で買ったドッペルギャンガーのカヌーが,膨らまして写真を撮り,さあ出発という時に,既にエア漏れを起こしていたのである。
 初めての水入れでエアtが漏れるとは,まったくとんでもないと、みんなで散々ドッペルギャンガーに悪態をついてみたが,どしようもない。
 仕方がないので,隊長艇に3人で乗ることに。エアーなら大丈夫だろうと高をくくったら,そこに長瀞の神様から隊長カヌーへ第二喝が。
 昼前の暑い盛りに駐車場で入れた空気が,川の水で冷やされて縮んでしまったのだ。そこに定員オーバーの大人3人で載ったものだから,浮力が効かずに水船状態になってしまったのだ。舵も全く取れずに、水に浸かって流されるだけ。これでは、長瀞の瀬を乗り切るのは無理と親鼻橋の手前で航行を断念。隊長艇は出発してから僅か500m足らずで撤退することになってしまった。
 とりあえず,近くの河原に上陸して昼飯をとることに。瀬に突入する前に撤退が決まった隊長はがっくり。しかし,その様子を見ていた初参加のゾノ兄の「何となくつっぺり隊がわかりました」発言に一同大爆笑。まさに,つっぺり隊の本領が発揮されてしまったのだった。隊長艇は後で回収することにして,他の2艇は先へと出発する。隊長艇の3人は歩いて出発地点まで戻ることに。まさか,歩いて親鼻橋を渡ることになろうとは。トホホ。
 車の回収に向かいながら,さすがにこのままでは終われないと,3人でラフティングツアーに参加しようと、何とか気を取り直しているところに,えぢそん隊員からレスキューコールが入る。何と,出発してすぐ,鉄橋下の瀬で轟沈し,陸に上がっているから迎えに来て欲しいというのだ。どうやら,落差のある瀬で空気緩んだ船が中折れ状態になってしまい,ホワイトウオーターの激流に晒され,息子が完全に戦意喪失してしまったらしい。第三の喝はえぢそん艇に浴びせられたのであった。
 空気が漏れる,縮む,緩むというインフレータブルカヌーならではの弱点を長瀞の神様に見事に突かれた敗戦であった。結局,最後まで下れたのは,陽ちゃんとゾノ兄弟の2艇のみ。久しぶりの長瀞下りで、つっぺり隊はまさに一家離散したのであった。
 しかし,こんな時の焚き火酒ほど盛り上がるものはない。沈は焚き火酒のもっとも美味しい肴なのである。えぢそん隊員からは「今日の沈で,私は自分の身の程を知りました」と身の程発言も飛び出し,大爆笑。つっぺり隊の実力は結成以来ちっとも進歩していない。しかし,身の程を知ってこそ,それを乗り越えるチャレンジが出来るのである。
 翌日,リベンジツアーに出発。長瀞の神様からの喝をしっかりと受け止め,空気も万全に調整して出撃したおかげで,楽しい長瀞下りが出来たこと。あ,ゾノ隊員が調子に乗って鉄橋下の瀬で両手を挙げてポーズをとって下るという嘗めたまねをしたので,最後の渇を入れられて沈をしたことを付け加えておく。
長瀞で下り始めてわずか500mで航行不能に!先行隊も激沈で救援要請! 2017.8.26〜27
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