DRIFTING ON THE NAKAGAWA
 今年も押し詰まった暮れの29・30日に,世間や家庭から見放された大人たちが,栃木県那須烏山市宮原に集結した。つっぺり隊恒例の河原忘年会。今年1年の川の神様への御礼と焚き火納めの儀式のためだ。よくやるよと言われ続けてはや11年。今年の忘年会はいきなりクライマックスから始まったのだ。
 この忘年会が待ちきれずに,前日の夜から野宿を始めたバカ隊員が数名。kei50,ゴステロ,無謀松,えぢそん隊員だ。富山支部設立のために転勤した(ウソ)ビール艦長も早々と集結していた。隊長が嫁の実家から調達した杉の丸太を積んで到着したときには,既に前泊組がまったりと朝食をとっているところだった。そこにさすらいのバックパッカーが到着。なんと岐阜支部設立のために転勤した(これもウソ)ライダー秋本が,今回はオートバイではなく,バックパッキングスタイルで電車を乗り継いで到着したのだ。
 松ちゃんタイムと呼ばれる無謀松隊員の寝坊のため時間がなくなり,河原で昼食をとってから無法松の瀬からの川下りになる。つっぺり隊の良心と呼ばれるビール艦長が下見で一度下り,さらにビデオ撮りのために瀬の下で待機する。(緑色の枠の画像はクリックすると動画が見られます)
 今回隊長は西伊豆で知り合ったカネヤンからもらい受けたレクレーションカヌーのパムリコを持参し,ゴステロ隊員とタンデムで無法松の瀬に突入する。続いて,えぢそん隊員がプレイボートで,KEI50・無謀松がインフレ-タブル艇で突入する。各隊員とも瀬は難なく乗り切った…はずだった。しかし,無法松の瀬の下で,隊長・ゴステロ艇は水船になっていたのだ。
 もともとレクレーションカヌーは湖や下流の静水用のカヌーのためスプレーカバーが付いていない。しかも,タンデム艇のため,デッキが大きく開いている。よく考えれば当たり前の事なのだが,何も考えずに瀬に突入したため,全ての波が余すところなくコーミングを乗り越えて船内に侵入し,あっという間に水船になり,あたかも潜水艦のように沈んでしまったのだ。
「わ,何だ何だ!」「まずい,まずい!」と騒いでも後の祭りで,水船になった船はもはや操船不可能となり,二人とも年の瀬の冷たい川で泳ぐ羽目になってしまったのだった。ゴステロ隊員は船と共に流されて救助され,隊長は川の中央の岩場に登ったものの身動きが取れず,結局助けを呼ぶこととなってしまった。
 しかし,沈はこれでは終わらなかった。ふと見ると,えぢそん隊員が大松橋の河原近くで沈をしているではないか。もともと腰痛で今回は川下りを見送ろうとしたえじそん隊員をワシらがそそのかしてやらせたのだが,案の定,無法松の瀬を下ったところで足が引きつり,慌てて上陸しようとしたところでバランスを崩して沈していたのだ。
 結局,えじそん隊員はここでリタイア。川下りを初めて50Mも行かないところで,つっぺり隊は壊滅的な打撃を受け,今回のツアーはいきなりクライマックスを迎えたのである。
 その後も,隊長ゴステロ艇は,普段なら何でもない瀬でも浸水しまくり,その度に上陸して水抜きを繰り返すことに。それが嫌でチキンコースをとるとザラ瀬になり,ポーテージをせねばならず,散々な目にあったのだった。
 kei50隊員の船も片方のチューブからエアーが漏れ始め,とにかく急いでゴールを目指す。余裕をもってゴールできたのは,無謀松,ビール艦長だけであった。
【教訓】レクレーション艇は波のあるところでは乗ってはいけません。せめてスプレーカバーはつけましょう。
 日暮れと共に,焚き火宴会が始まる。まずは今年1年無事につっぺれた事に対して川の神様に感謝し乾杯をする。
     
 焚き火の炎が強まると共に,隊員がそれぞれ夕食の準備を始める。一人一人が十八番料理を作る満漢全席スタイルはすっかり定着しており,参加隊員の数だけいろいろな料理が食べられるのがつっぺりスタイルの焚き火料理である。しかし,欠点は全員が一斉につくり始めるため,できあがりも一斉で食べきれないという無計画さ。これもつっぺりスタイルである。
 この日は,ビール艦長定番の火鍋の他,ろーたす隊員のスペアリブ,えぢそん隊員の炊き込みご飯,ライダー秋本の鶏の唐揚げ,ゴステロ隊員の麻婆なす,まりこ隊員の白玉しるこ,kei50隊員の焼き餃子と何でもありのメニューだった。
     
 たらふく食べ,落ち着いた所で,今年のMVP&とびうお賞を決めるための野外上映会が始まった。蔦で木に吊した模造紙のスクリーンに発電機とプロジェクター,パソコンを持ち込んでの上映である。日本広しといえども,年の瀬ににキャンプで上映会をやっているのはつっぺり隊くらいのものだろう。
 今年一番感動を与えてくれた写真と一番笑いを与えてくれた写真を上映した候補作の中からそれぞれ挙手で選び出す。この瞬間が,いかにワシらが1年間バカだったかを振り返る楽しい時間なのだ。ちなみに,今年の受賞者はいずれもゴステロファミリーから選ばれた。詳しくはMVP&とびうお賞のページを見て欲しい。
 焚き火宴会も終盤を迎えると,「そろそろやりますか」の声がかかる。いよいよ河原サウナの始まりだ。焚き火で真っ赤な宝石と化した焼け石に水をかけると強烈な熱風がわき起こる。「今年のサウナは今までで一番熱いぞ!」「ウヒョー!」奇声ととともに立ち上がり,熱風を自分の方にかき回すぐるぐるダンスが始まる。サウナから出てくる隊員の体からは湯気が立ち上り,この寒空の中,パンツ一枚で肉体ショーが始まる。バカなのである。
 こうして2012年の年の瀬も,相変わらずバカによるバカのためのバカキャンプで怪しく更けてゆくのだった。
11年目の忘年会はいきなりクライマックス!バカによるバカのためのバカキャンプ! 2012.12.29〜30
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